スワップ運用の基礎知識

スワップ運用における両建ては非合理的?FX会社が推奨しない本当の理由。

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『大きなイベントがあり、激しく変動する可能性があるので一度両建てに~』

スワップ運用に限らず、FXの中長期投資に関する情報を調べていると、こんなことを言っている方を見かけます。

ここで言われている『一度両建て』という点について

・そもそも両建てってなに?

・両建てって意味あるの?

・FX会社が両建てを推奨しない理由

という観点で、まとめていきたいと思います。

 

簡単に言うと

両建てとは、売買両方のポジションを持つこと。

合理性には欠けるけど、心理的効果はアリ。

FX会社が推奨しないのは、おカミの締め付けがあるから!

 

そもそも両建てとは?

両建てとは、同じ投資対象に対して売り・買い両方のポジションを持つことです。

一方が損失を出すともう一方が利益となり、お互いの利益と損失を相殺する関係になります。

損益を固定することから、ポジションをロックするスクエアにするなどと表現されることもあります。

※ポジションを全て決済し、ノーポジションにすることをスクエアと呼ぶこともあります。

 

両建てって意味あるの?

・両建てとは、売買両方のポジションを持つこと。

・相場が上下しても、損益が変動しない。

・・・それって意味あるの?

って、思いますよね。

結論から言いましょう、合理的な意味はないです。

そもそも両建てすることと、一度ポジションを決済して再度ポジションを持ち直すことは取引上同じことをしているのです。

こういうことです。

上下違う取引をしているように見えますが、売買の種別だけを見れば買・売・買・売の順番に行っているのは全く同じです。

そして上が両建て期間中は損益が変動しない。その時下はノーポジションなので当然損益は動かない。

つまり、損益についても全く同じ。『一旦両建て』なんかしないでも、そのポジション決済しちゃえば同じことなんです。

 

両建てにはデメリットもある

本質的には同じってことは言い換えればどっちでもいい?

実はそうでもなくて、両建てには明確なデメリットがあります。

まず、両建てをしている期間は2つのポジションを保有しているので2本分の証拠金が必要になる

そして買いのスワップポイントと売りのスワップポイントが発生するので、差引スワップがマイナスになる

このため、機能的な面を考えれば一度決済した方がメリットは大きいと言えます。

つまり、両建ては合理的ではないということですね。

ただし、FX会社によっては例外的制度を導入している場合もあります。

MAX方式:両建て時、必要証拠金はいずれか大きい方の分だけで良い

スワップポイント一本値:売買のスワップポイントが同額であり、両建時にプラスマイナスゼロになる。

MAX方式を導入しているFX会社は比較的多いですが、スワップポイントの一本値はごく一部のみです。

(通常時は売買異なる額のスプレッドだけど両建て時には特例として一本値にするFX会社もあります。)

両建てを戦略として取り入れる場合、この点も考慮してFX会社を選ぶべきです。

 

それでも何故両建てをする人がいるのか。

これは人間の心理によるものです。

実は、人は損失を確定せず、先延ばしにしてしまおうとする傾向があります。

利益は小刻みにすぐ確定するんだけど、含み損は中々確定できずにズルズル・・・そしてコツコツドカン。なんて初心者が必ず通る道。

そこで、両建てならば疑似的に決済することになるので心理的なハードルを下げることができる、というのが両建て派の意見です。

それに一回決済しちゃうと、再度エントリーするのも躊躇いますしね。

先程デメリットがあるとは書きましたが、躊躇して損失が膨らんだり、利益を取り逃したりすることに比べれば微々たるものです。

実際にやってみて、両建ての方がやりやすいな~と感じたら、それは間違っていないでしょう。

特にスワップ派にとっては『このロングポジションは離したくないけど、しばらく下落する気がする・・・』なんて局面は多々あり得ます。

トレーダーとしては失格なのかもしれませんが、長く持ったポジションって愛着沸いちゃうんですよね。特に年単位だと。

 

FX会社は両建てを推奨しない

両建ては可能ですが、経済的合理性を欠く取引であり、お客様に不利益を与える恐れがある為、推奨していません。

FX会社の公式サイトを見ると、大概こんな文言があることをご存知でしょうか?

なんだ、やっぱり両建てはダメなんだ・・・と感じるかもしれません。

実は、こうなるに至ったには深い事情があるのです。

 

それは、今よりも前の、電話での取引が主流だった時代・・・

当時は株もFXも今よりずっと手数料が高く、営業マンにとっては顧客にいかに多くの取引をしてもらうかが成績になっていました。

そんな時生まれたのが、このフレーズ。

 

『今夜は雇用統計で相場が大きく変動するかもしれない。一度両建てにして損失を防ぎましょう。』

 

何故両建てかと言うと、決済してしまったらポジションを建て直してくれる保障はないけど両建てならいつか必ず両方決済されるから。つまり、取引量が確実に増えるから。

情報も少ない時代にプロが両建ては定石であるかのように言ったら、多くの人は信じ込んでしまいます。

やがてそれが問題視され、現在で言う金融庁が指導、両建てを推奨する行為を禁止するに至ったのです。

つまり、おカミの指導。これがFX会社が両建てを推奨しない本当の理由です。

 

まとめ

・両建てとは、売買両方のポジションを持つこと。

・実質的には一回決済するのと同じ意味。

・必要証拠金、スワップポイント面を考えると非合理的。

・とはいえ、心理的な効果はあるので使い方によっては有効。

・FX会社が推奨しないのは、金融庁の指導によるもの。

賛否両論ある『両建て』ですが、正しい知識の元で行うなら『アリ』かと思います。


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